2-4プロセスを理解する力~物流知識

物流とは「物的流通」の略称です。製品などのモノを生産者から消費者へ流通させる諸活動の全体を指します。ここでは、一般的な物流の概念と、調達購買で必要となる物流の内容を説明します。

☆物流の5機能

(1)輸送

輸送とは、モノと人の空間的な隔たりを取り払うため対象物の移動です。移動手段には、車や船・航空機などがあります。輸送する場合、それぞれの特性を踏まえて、輸送手段を選択します。

(2)保管

保管とはモノの貯蔵管理です。倉庫にただ置いておけばいいのではありません。保管している間も、モノの品質が維持される管理も含まれています。

(3)荷役

荷役とは、荷物の積み込み・積み卸しで、輸送時に必ず発生する作業です。輸送や保管の前後に必ず行われ、工場や倉庫内の短距離の移動や、トラックや船舶、鉄道への積み込みを指します。

(4)包装

包装とは、輸送や保管の過程で、品質を維持するために、容器やこん包材を使用したモノの保護です。輸送時のダメージからの保護はもちろん、保管時の品質維持のためにも行われます。

(5)流通加工

輸送するモノに対して、包装を行ったり、納入用の通い箱への詰め替え、販売用の値札を取り付けたりといった貨物への付加価値を与える機能です。

☆調達購買が関係する物流

調達購買部門が管理する物流には、図2-4-1にある通り、原材料メーカーやサプライヤーから購入品を入手する場合に発生する物流があります。この物流を「調達物流」と呼び、基本的に国内外の調達先から自社工場までの工程が対象です。

その他、調達購買部門以外の部門が関わる物流には、工場でサプライヤーからの購入品を受け取ってから、自社製品がつくられ出荷されるまでの「生産物流」、自社製品を出荷してから顧客へ届けるまでの「製品物流」、返品やリサイクル目的での「リバース物流」が存在します。

☆高度化された物流サービスを積極活用する

近年、海外新興国からの調達も増加し、従来よりもサプライチェーンの物理的な距離的が長くなっています。またジャストインタイム(JIT)方式によって、納入ロットも小口化され、時間単位の納入管理もめずらしくありません。そのような厳しくなった納入条件に対処するには、さまざまな物流機能の複合的な活用が必要です。輸送を、陸上、海上、航空それぞれ一つで行うのでなく、組み合わせ、より安く早く確実な輸送の実現を検討します。輸送に加え輸送環境に耐えるこん包を依頼したり、生産に適したロットと、納入ロットに差がある場合は、一括して倉庫へ出荷し、そこから顧客へ分けて納入したりといったサービスもあります。またバイヤーは調達物流だけでなく、調達購買部門以外の部門が関わる、生産、製品、リバースといったあらゆる輸送に関するQCD(品質の向上:Quality、低コストの実現:Cost performance、必要な時期に届ける:Delivery Date)を確保しなければなりません。そのためには今、どんな輸送サービスが存在するかは、継続的に情報収集します。輸送業者は輸送手段や、海外であれば、地域によっても特徴があります。自社の物流に必要なリソースを理解し最適なQCDを実現する物流業者を選定します。(牧野直哉)

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