3-10サプライヤーマネジメントに必要な総務部門との良好な関係
総務部門は働きやすい環境整備を行い、各部門のサポートが主な業務です。広い業務範囲をもつ総務部門だからこそ、いろいろな場面を想定した協力関係の構築が必要です。
☆法務関連機能との連携
サプライヤーからの購入は、契約を元に行われます。契約書を調達購買部門で作成した場合、契約書が民法や商法その他関連する法規に抵触しないかどうか、最終的には法務部門で確認が必要です。大企業は独立した法務部門を持っていますが、独立していない場合総務部門に法務機能あるはずです。いざサプライヤーと契約する段階であわてて契約内容の法務的確認を総務(法務)部門へ依頼するのではなく、確認に要する時間を確保して依頼します。
法律だけでなく、持続可能な調達/CSR調達に取り組む場合、その内容を法務部門と共有して行います。
☆社内設備管理・什器購入へのサポート
総務部門は建物や社内設備の管理責任を持っています。建物の維持管理や設備購買は、仕様が汎用的で競争原理を導入しやすい特徴があります。一方価格のみでサプライヤーを選定し十分な成果が得られなかったり、またトラブルが発生したりした場合、ユーザーである従業員の業務に影響をおよぼします。
総務部門はコストよりも確実な実行を期待し実績あるサプライヤーを選定する傾向があります。調達購買部門は総務部門の要求内容を実現できるサプライヤーを複数そろえ、競合環境を整え購入価格の低減を目指します。
☆防犯・防災対策での協力体制
調達購買部門は、多くのサプライヤー担当者の来訪を受けます。大きな災害が発生した場合の対応手順も、事前に総務と検討し確認しておきます。商談スペースや、会議室、応接室からの避難経路の確認や、誘導方法の社内周知も総務部門とともに準備を進めます。同時に企業としてのBCP(事業継続計画)立案も、総務部門でまとめているケースが多くあります。総務と協力しながら理解した事業継続の考え方をベースに、調達購買部門でサプライヤーを巻き込んだ事業継続計画を立案します。
また調達購買部門は購入に必要な仕様書や、図面といった機密に該当する情報をサプライヤーへ提示する機会が非常に多い部門です。またサプライヤー担当者の、社内への立ち入りも多頻度で発生します。総務部門とはサプライヤーとの情報管理の在り方について、アドバイスを受け指針や対応方法を決定します。