5.サプライヤーマネジメント~調査・格付け・管理 5-1なぜ、サプライヤーを管理しなければならないか

調達購買部門に不可欠なサプライヤー。製品の安定供給を目的に、調達購買部門がサプライヤーマネジメントを実践し、適切な管理を行います。

☆サプライヤーマネジメントの定義

バイヤー企業の要求する条件をクリアした製品の継続的な供給がサプライヤーの責任です。サプライヤーが責任を果たすため、バイヤー企業はサプライヤーマネジメントを実践し、サプライヤーの活動を管理しサポートします。

企業によって製品仕様やや品質基準といった購入条件は異なります。したがってサプライヤーをマネジメントする内容も実践内容が異なります。サプライヤーマネジメントは、企業の独自の判断基準によってサプライヤーを評価し、評価結果によって、サプライヤーを区別して扱います。

☆変化させないために必要なサプライヤー管理

購入品の品質管理は、3-5で述べたとおり源流管理が主流です。納入開始されたサプライヤーに対する管理は、過去に確認した良好な状態が維持できているかです。

企業の経営環境は常に変化しています。経済環境はもちろん天候、作業員の体調に至るまで常に変化しています。その中、常に品質確保を継続するためには、環境変化に応じ同じアウトプットを出し続ける仕組みの構築が必要です。バイヤー企業は仕組みが機能しているかどうかを確認し、問題点があれば指摘してサプライヤーの品質管理をサポートします。

☆最新のサプライヤーマネジメントの方向性

事業活動に必要なサプライヤー確保が、サプライヤーマネジメントの目的です。分散発注し競合状態を創出して、リスクに対応した対策も必要です。

CSR意識の向上やサプライチェーン全体の持続可能性意識の高まりによって、サプライヤー1社に費やす手間やコストは増大傾向です。グローバル化の進展によってサプライチェーンは地理的にも広がっており、バイヤーへの負荷も増大傾向にあります。

最新のサプライヤーマネジメントの方向性は、できるだけ少ないサプライヤーから購入して事業運営に必要なリソースを適切に確保します。サプライヤー数が増加しても、同じ割合でバイヤー数は増えません。購入の集中化によるコスト削減への期待もサプライヤーの数最小化に拍車をかけます。サプライヤーマネジメントの確実な実践にも、サプライヤー数はできるだけ少なくします。(牧野直哉)

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