5-5サプライヤーを区別して管理する

評価したサプライヤーは、購入品の特性ごとのカテゴリーに区別します。カテゴリーごと/サプライヤーへのアプローチ方法を変え、目的に合ったサプライヤーの管理を実現します。

☆どのようにサプライヤーを区別するか

サプライヤー評価結果を利用し複数のグループに区別して管理します。事業運営に大きな影響を与えるサプライヤーは「重要サプライヤー」として次の3つの条件に基づいて区別します。3つの条件のうち1つでも当てはまれば、重要サプライヤーとして扱います。

①      現在の事業運営に欠かせないサプライヤー

総購入額に占め購入割合の多いサプライヤー。購入総額の80~90%を購入している全てのサプライヤーが対象。

②      将来の事業運営に必要なサプライヤー

現時点での購入額で判断せず、将来必要な技術を活用して共同開発や試作品の発注を行っているサプライヤー。モノだけでなく、技術的なサポートを受けているサプライヤーが該当。

③      代替ソースが存在しないサプライヤー

評価時点で、バイヤー企業に他の購入ソースが存在しないサプライヤー。供給停止がバイヤー企業にとって死活問題。同時にバイヤー企業の影響力が行使しづらいサプライヤー。

☆区別後のサプライヤーへのアプローチ

サプライヤーを区別したら、それぞれ別々の対応を行います。

  • 重要サプライヤーへの対応

受注状況や短期的な見通しだけでなく中長期的な見通しまで共有し、他の顧客と区別し優先対応をサプライヤーに求めます。具体的には重要サプライヤーであることを明言し、調達購買部門とサプライヤーの営業部門双方のトップのコミュニケーションを緊密にして意志の疎通を図ります。バイヤー企業側からの情報提供も方法や内容を一般のサプライヤーとは区別して行います。双方戦略の適合性を高めます。

大手企業は重要サプライヤーを「協力会」に組織して、明確に他のサプライヤーと区別するケースもあります。協力会の維持は、一定の発注規模が必要です。ポイントはサプライヤーもバイヤー企業を「重要」と認識しているかどうかです。区別した対応によってサプライヤーがメリットを感じるかどうかがポイントです。

②      一般サプライヤーへの対応

重要と区別されなかったサプライヤーはすべて一般サプライヤーです。購入に必要な情報提供は行うものの、バイヤー企業の都合を一方的に周知します。しかし一般サプライヤーには、将来的な重要サプライヤーが潜んでいる場合もあるでしょう。新たな重要サプライヤーの存在を察知するため最低限の情報収集とコミュニケーションは行いましょう。効率的なコミュニケーションがキーとなるサプライヤーです。(牧野直哉)

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