オールビジネスニッポン書き起こし「何故か社会は答えを知っている」

*FMラジオ番組「坂口孝則と牧野直哉のオールビジネスニッポン」書き起こしです。よかったら、PODCASTをご登録お願いします! ここからどうぞ

坂口:テーマは、「何故か社会は答えを知っている」です。実は、僕がちょっと興味を持ち始めたのが、コンサルタントになった十年ぐらい前のことなんだけれども、意外に何かちゃんとコンサルタントとして、情報を集めたりだとか、データーをこう集めなかったとしても、結論って、みんなが直感的に思ってることと、結構近いんじゃないかっていう気がしたんですね。そんな経験ありません?

牧野:いやいや、あるけど、それ言っちゃダメでしょう、それ。ハッハッハッハッ(笑)

坂口:その時たまたま読んだ本に、1986年のチャレンジャー号の爆発っていうのがあったんですね。これ聞いていらっしゃる方は半分ぐらいご存じかもしれませんが、チャレンジャーっていうスペースシャトルがあって、これ打ち上げられた直後に爆発してしまったんですね。

そしたら面白いことに、その製造っていうか生産に関わってる数社、まあ四社ぐらいしかなかったですが、その四社が、株式市場で当然ですけど株価がガアーって下がる訳ですね。ただし、その四社が、誰が責任かがわかんなかった状態で、その後にこの会社が問題だって分かる会社の株価だけが、一番下がったんですね。四社のうちどこが問題だったかっていうのは、人々は全く分からない、爆発したっていうことしか分からない状況の中で、なぜか本当に問題があった会社の株価だけが、一番下落していたっていうのが、すごい興味深くて……。

牧野:真実は株価の下落幅が表現していたってことですか?

坂口:はい、これちょっとオーリングって言ったりする部品なんですけども、そのオーリングを作っていたあるメーカーがあって、なぜかまだ全くニュースとか報道とか、調査分析もなされていなかった時に、その会社の株価が下落して、その他の株価はなぜか復活してるんですね。

これがすごい不思議で、一応ニュースとしては、その後に天才的な物理学者が、その爆発の解析に乗り出して、だいぶあとでオーリングっていうその部品作ってたメーカーが問題だったね、っていうのが分かるんですが、なぜか株式市場っていうか、社会全体はそのメーカーが問題じゃないかっていうのを、わずか数十分で見抜いていた。これがすげえなと思うんですね。

それとね、牧野さんね、僕は予想で、コロナウイルスの次はきっとインターネット上のウイルスが流行るんじゃないかっていうふうに予想するでんすね。

牧野:なるほど。

坂口:なぜならば、今なんかハッカーの側から立ったら、一番みんなを狙って効果あるのって、Zoomみたいなテレビ会議システムとか、ネットを標的にした方が一番いい訳なので、恐らくネットのウイルスが一番はやるだろうなと予想しているんですけどね。

非常に面白かったのが、9.11の時に、貿易センタービルっていうのは破壊されましたよね。そこである証券会社の話なんですが、サイバーセキュリティーだとか、あるいはサーバーを管理していた管理者の方々が全員死んでしまったんですって。これちょっと本当に不幸な話なんですが、何が困ってるかっていうと、その関係者しか知らないパスワードっていうのは相当あったらしいですよ。

牧野:なるほど。

坂口:じゃあ、その証券会社は何をしたかというと、まさかの、その管理者を知っている、以前の同僚だとか、あるいはその人を知っている社員たちを集めて、こいつだったらどんなパスワードを作るかなって言うのを、全員に討議させたらしいですよ。そうすると面白いことに、パスワード分かったらしいです。すごいですね。

牧野:ほーーーー。すごい話ですね、それはね。

坂口:だから意外にみんなは答えを知っているっていうのは、色んな事例からも明らかなんですね。そこでちょっと牧野さんに意見を聞いてもらいたいですけど、いま企業の落ち込みがあまりにも凄い凄いって言われてるわりには、株価ってめちゃくちゃは下がってないんですよ。

牧野:そうですね。あのGDPの下がり幅と、株価の下落幅というか、そこがこうギャップが起きてるっていうことが言われてますよね。今ね。

坂口:うん。というのが、GDPがあれだけ減るだったら、もしかすると企業の利益はもっと減るはずなので……。

牧野:おっしゃるとおりですね。

坂口:あのGDPっていうのは付加価値の合計ですけど、付加価値以前に利益がもっと出ないはずなんですけど、なぜか株式市場はそんなに下がってないと。これはちょっと、あんまり予想するのもあれなんですが、明るい予想としては、これまでの歴史から言うと、みんながびびっているほどは、経済落ち込まないじゃないかっていう見方もできると思うんですね。

牧野:なるほど。そういう見通し大事ですね、本当に。

坂口:本来はGDPが10%下がるだったら、企業利益は、三割とか五割とか減っていいはずで、株式市場は未来に対する、企業の利益とかを全部反映したもののはずですから、意外に減ってないなっていうのがちょっと面白いなと思うんですね。

牧野:すごく明るい話題だと思うんですよね。そこの部分。

坂口:だから予想屋ではありませんので、このへんでちょっとやめておきたいと思いますが、これまでの株式市場や、社会が全てを知っているという、潜在的な無意識から考えると、我々の社会、あるいは我々の経済は、めちゃくちゃまでは暗くないじゃないかっていうのをちょっと、僕、思ってますね。

牧野:なるほど、はい。

坂口:ということで、「何故か社会は答えを知っている」でした。

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