8-2 リードタイムの全体像を把握しよう:効果的な納期管理のポイント

●リードタイムの種類 ~多様なリードタイムの理解と管理
納期管理はサプライヤーの納入日だけを見ていても希望の納入日は実現できない。リードタイムを細分化し、改善すべきポイントを明確にすることが重要だ。

●細分化されたリードタイムの種類
発注から納入までのリードタイムを以下のように細分化できる。

・購入条件検討リードタイム(設計リードタイム)
購入仕様を明確にするためのリードタイム。発注日前に完了するのが基本で、サプライヤーで技術的検討が必要な場合はそのリードタイムも考慮する。

・需要確認リードタイム
購入するかどうかを決定するためのリードタイム。他のリードタイムと同時並行で実行可能で、発注日までに需要を確定させる。

・生産管理リードタイム
購入条件が明確になり需要が確定した後、注文書が発行されるまでのリードタイム。注文書発行に必要な業務プロセスが設定されており、たとえ数日であっても考慮する必要がある。

・原材料調達リードタイム
必要な原材料を確保するためのリードタイム。サプライヤーの発注内容に含めるかバイヤー企業で確保して支給するかで、起算日が異なる。加工や組立工程開始前までに確保する。

・サプライヤー内各工程リードタイム(サプライヤー生産リードタイム)
サプライヤー内で発生する全ての工程に対するリードタイム。サプライヤーから回答されるリードタイムの主な構成内容だ。

・物流リードタイム
サプライヤーからバイヤー企業までの輸送に必要なリードタイム。国内サプライヤーの場合あまり意識されないが、海外サプライヤーの場合、日数と輸送工程(輸送の種類、通関手続き)によってさらに細分化が必要な場合がある。

このようにリードタイムを理解し、適切に管理することで、納期の精度を高め、効率的な調達・購買が可能となる。リードタイムの細分化は、納期遅れ問題が発生したときや、納期短縮の取組をおこなう場合の切り口にも活用できる。納期に関するリードタイムは複数の要素で構成されていることをしっかり理解しよう。

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