6-12 いざ、交渉へ! ~意外に重要な交渉する「場」の設定
●ポイント
1.交渉の「場」の重要性:交渉する場所や場の設定が心理的に大きな影響を与えることを強調します。
2.事前準備と臨機応変な対応:準備の重要性を再確認し、突然の交渉に対する準備の必要性を述べます。
3.出席者の選定:交渉の結果に大きく影響を与える出席者の選定について説明します。
交渉は準備も重要ですが、「体裁」によっても結果に大きな影響を与えます。交渉するのは人であり、心理面で有利になる体裁を整えることも、交渉を有利に運ぶ上で重要です。具体例を通じて、体裁の整え方を学びましょう。
・来てもらうか、出向くか
日本の商慣習では、調達・購買部門は有利な場所で交渉できる立場にあります。通常、サプライヤーが顧客を訪問するため、バイヤー企業は常にホームでの戦いとなります。しかし、サプライヤーの営業パーソンはバイヤー企業への度重なる訪問によって、アウェイであっても大きな影響を受けにくくなっています。
逆に、バイヤー企業からサプライヤーへ出向くケースを考えます。バイヤー企業が交渉をメインにしてサプライヤーを訪問するケースは少ないでしょう。しかし、この少ないケースだからこそサプライヤーにとっては不慣れな状況となります。交渉の都度訪問する必要はありませんが、たまにはバイヤーがアウェイで交渉し、営業パーソン以外にも同席をお願いし、自分たちの実情を直接伝えることも効果的です。
・予定するか、突然か
交渉を勝負に例えたとき、勝ち負けを分けるのは準備次第と前述しました。十分に準備した上で突然訪問して行う交渉は、有利な結果を導ける可能性が高くなります。いわゆる奇襲攻撃と同じです。
突然の交渉を目的にした訪問はあまり褒められた話ではありませんが、バイヤーは突然交渉をもちかけられる場合を想定する必要があります。長期的な交渉では、日常的に交渉準備を行うため、突然の交渉者の来訪にも慌てずに対処できます。自分から突然の交渉を始めなくても、相手からもちかけられた場合を想定し、準備しておきましょう。
・出席者の選定
交渉の場に同席するメンバーも交渉結果に大きな影響を与えます。組織ではバイヤーが交渉者とならないケースもあるでしょう。上位者の指示によって同席者が決定する場合、交渉の主導者を想定し、担当バイヤーから事前のレクチャーを十分に行います。バイヤーが交渉の当事者でなくとも、交渉のコントロールは可能です。
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