先週の調達・購買担当者が見るべきニュース(4月20日~4月26日)

派遣料金 緩やかに上昇 4月1%高く IT・製造で需要、事務職は横ばい
今や企業にとって欠かせない戦力である派遣社員。春闘の結果を報じるニュースや、行政からの労務費転嫁をうながす指針を見ていると概ね5%、採用時の優位性を強化する企業の場合は給与を10%アップさせると言った記事も目立つ中で、派遣社員の給与には波及度合いが小さい印象である。本来的には、労働者が提供する付加価値によって給与は決定されるため、アップした給与額が、労働者が提供する付加価値に見合うというか、慣れるまでいま少し時間がかかるかもしれない。有期契約の給与のため、契約更新時に反映される面もあると考える。ちなみに人材派遣会社を管轄している厚生労働省からも、内閣官房/公正取引委員会から発表されたものと同じ内容が提示されている。

【参考】派遣労働者の公正な待遇の確保、処遇の向上が求められています

鉄鋼・化学資材値上げへ、主要品目6割人件費増で 4~6月、最終製品に影響も
これだけ労務費転嫁が叫ばれているのだから、その売買価格への転嫁も遅かれ早かれ行われるであろう。適正な転嫁を認めるとの前提で、サプライヤから提示された根拠を見極める姿勢は、調達・購買担当者/バイヤとして持ち続けなければ、存在意義すら失われてしまうだろう。

悪意なき秘密漏洩に注意 名刺や営業情報 転職時のトラブル多発 「持ち込ませない」対策も
業務上知り得た顧客、取引先の個人情報は、所属会社資産であり個人のものではないと認識を強くする必要がある。個人の記憶までは規制できないから、調達・購買部門の場合、有力な取引先の名称などは記憶したり、個人で企業名のみメモに残すといった取り組みが必要かもしれない。

紙の本 作るためには紙減らせ 敵は返品の山、オンデマンドで突き崩す
日本経済新聞朝刊は、約25万文字のボリュームがある。文字数で言えば、新書の約2冊分だ。これだけの情報量だから、毎日隅から隅まで読むのは時間的に難しい。だから見出しや記事の冒頭部分で読み進めるかどうかを決めるわけだが、読むべき記事の1つに数値的な感度を養う数値の記載がある。例えば、この記事には「224ページの紙の本1冊を作って廃棄するまでに出る温暖化ガスは500ミリリットルペットボトルを5本生産・消費する時の量と同じくらい」といった表記がある。二酸化炭素換算で1.1kgで、電子書籍なら1/5で済むといった内容だ。私は、データでやり取りをするだけの電子書籍でも、ほぼ電気代と送受信機器の生産にともなう二酸化炭素が約200g排出される現実に驚かされた。最近では、読者にわかりやすくイメージを持って貰うために、脱炭素関連ではこういった数値的なたとえがたくさん登場する。こういった数値の積み重ねが、脱炭素をより身近に実感を伴って理解する近道だし、調達・購買担当者/バイヤにとっては、価格変動の割合が数多く報道される。そういった記事を読む積み重ねが、価格感度アップに繋がると考える。

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