5-11 サプライヤーマネジメントの終章 – 関係の円満な終結

サプライヤーマネジメントにおいては、事業の進展や市場の変動に伴い、いずれは一部のサプライヤーとの取引を終了させる必要が生じることがあります。このプロセスを円滑に行うための基本的なアプローチを解説します。

サプライヤーとの関係を終わらせる理由を明確にします。
突然の取引停止は避け、適切な猶予期間を設けます。
取引終了の準備は、原因の提示と改善の機会の提供から始めます。
サプライヤーマネジメントは常に動的なもので、事業の変化や市場環境の変動に伴い、バイヤー企業のニーズとサプライヤーのリソースの適合性を評価し続ける必要があります。時には、過去には良好だったサプライヤーとの関係が、未来の戦略には不適合となり取引終了を余儀なくされることもあります。この際、双方の方向性が大きく異なる場合は、取引の終結を検討する必要が出てきます。

取引を終える際には、突然の発注停止は避けるべきです。特にグローバル化が進む中で海外サプライヤーとの取引が増える一方、国内の小規模サプライヤーに対しては社会的責任も含めて慎重な対応が求められます。バイヤー企業は、適切な猶予期間を設けることで、サプライヤーに適応の機会を提供し、可能な限り円満な取引終了を目指します。

最後に、取引終了のプロセスでは、購入減少や海外サプライヤーへの移行の原因をサプライヤーに対してオープンにし、まずは改善を申し入れます。それが実を結ばない場合にのみ、取引の停止を伝えることになります。調達購買部門は、新規サプライヤーの選定と既存サプライヤーとの関係終了のバランスを取りながら、組織の権限と責任を有効に運用することが求められます。このプロセスは、事前通告と計画的な準備を通じて、サプライヤーにも適応の機会を提供し、関係の円満な終結を実現することが不可欠です。

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