4-6 未来を切り開く調達・購買: 内外作の戦略的意思決定

ポイント
1.戦略的調達: 社外から必要なリソースを選択的に調達することで、企業のコアコンピタンスを強化します。
2.リソースの最適活用: 技術やノウハウの内外作における戦略的判断が企業の成長を促進します。
3.長期的視野: 短期的な人手不足解消に留まらず、将来の競争力確保を見据えたリソース管理が重要です。
調達・購買部門は、単に指示された品目を調達するだけではなく、市場環境の深い理解を基に、企業の内外で必要なリソースを戦略的に調達します。これは、社内で実現できない価値を社外から取り入れ、企業の核となる力を強化する活動です。

・コアコンピタンスと調達・購買
企業が持つ「コアコンピタンス」、つまり他社には真似できない独自の価値を提供する力は、企業ごとに異なります。この力を強化し、成長させるためには、調達・購買活動が重要な役割を担います。例えば、技術革新の速いIT業界において、特定のソフトウェア開発能力が企業のコアコンピタンスである場合、その能力を補強するための最新技術や専門知識を外部から調達することが、競争優位性を高める戦略となります。

・リソースの外部調達の考え方
しかし、何もかもを外部から調達しては、自社の競争力の源泉がぼやけてしまいます。自社の優位性を確立するためには、戦略的に、そして長期的な視野に立って、外部リソースの調達を決定すべきです。現代は人手不足が課題となっていますが、この問題に直面するからこそ、限られたリソースの効果的な活用と自社の競争力の確保のバランスが求められます。

・製造以外のリソースの重要性
製品を納入する過程で重要なのは、購入しているリソースが何かを深く理解することです。自社での技術検討や設計が、製品品質にどのように影響するか、また、それを外部に委ねた場合の利点と欠点を慎重に評価する必要があります。これは、技術的ノウハウの蓄積という付加価値をどのように管理するかという問題に直結します。

・本当に必要なサプライヤーリソースの見極め
全ての技術やノウハウを内部で保持しようとする考えは非現実的かもしれませんが、重要なのは、企業の将来像とその実現のために本当に必要なリソースを見極めることです。一時的に外部リソースを利用する場合も、その知識をいかにして企業内に取り込み、維持発展させるかが鍵となります。

調達・購買部門は、ただの品物やサービスの購入者ではありません。企業の未来を形作る戦略的な機能を有しています。この部門の戦略的な意思決定は、企業が直面する人手不足や技術的挑戦を乗り越え、長期的な競争力を築くために不可欠です。調達・購買に関わる皆さんは、この責任ある役割を果たすためのキーパーソンなのです。

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