中国出張で感じたこと
久々の出張で長いな~と思った今回の出張も本日が最終日。いろいろな人と会って、話をして、有意義な出張だったように思う。今回の出張でも何社かサプライヤーを訪問した。そんな中で得た印象は、日本のメーカーに勤務する私が、海外からの調達を進めながらも解決できない本質的な問題を際だたせている。
最近、新規サプライヤーの開拓に精を出している私は、数あるサプライヤーの皆さんが異口同音に言うあるフレーズに違和感を覚えている。キーワードは
・多品種少量
・一個からでも
・短納期
の3つである。商談会へ行っていろいろサプライヤーの資料を見れば、ほぼその全部にこの3つのキーワードのいずれか、もしくは3つとも使用されている。購入側から見れば、この3つのキーワードに象徴される対応・条件はとっても魅力的だ。でも、ほぼどんなサプライヤーでもこの条件を挙げた場合、結局それ以外のきらり☆と光る何かを探すことになる。きらり☆と光るモノを持っている場合は、本当にその部分が際だっている。
今回の中国出張ではキラリ☆と際だった光を放つ、あるメーカーの訪問がとっても印象に残っている。そのメーカーの特徴は、私が日本国内のサプライヤーから散々聞いてきた3つのキーワードだ。中国のメーカーに限らず、海外のサプライヤーは、単価が安いが最小発注数量単位が大きい・・・・・・そんなステレオタイプな認識を吹き飛ばす実情を見た。
今年になってから行ったある製品の展示会でも、海外からの出展メーカーのキーワードは、日本メーカーのPRポイントである3つの言葉だった。昨今の急激に冷え込んだ需給の状況から判断して「本当?」と思わなくはなかったが、インターネットによって日本の中小企業のHPへのアクセスは全世界から可能である。意欲があれば、学ぶことは簡単である。
上記の3つの言葉と、もう一つよく見る言葉があった。頻度が減ってしまうのが残念だが、その言葉は「高付加価値」だ。実際、いわゆる時代の先端を行く製品は、まだまだ日本国内の生産でもグローバルな競争力は確保できる。でも、その実現に到っていない企業の方が多いのではないか?
「多品種少量」「一個からでも」「短納期」の次に来るPRポイントを探さないと、日本の未来は無いのではないか?そんな不安を感じさせる出張だった。その不安は、私が一緒に仕事をさせていただくサプライヤーに限った話ではない。私が働いている会社にも当てはまる話。なんだかんだ言っても、日本は豊かな国だ。それを維持するために、やっぱり何でも良いから成長は必要なわけだ。でないと、人件費の安価なメーカーへと発注されてしまう。私が海外へ発注することで得られるメリットは、誰にでも得る権利があるのだから。