サプライヤー戦略(9)価格低減は平均値では測れない-5

・リスクとリターンはどのように評価するべきか

 

ここで注意を要するのは、価格低減というときに何を基準にするかということです。低減を計算するときに、さまざまな尺度を採用している企業があります。前回調達値、競合他社、目標値、最初の見積り値、コストテーブル……etc。その恣意的さについては前著までずっと繰り返してきましたので、ここでは再度議論しません。重要なのは、その基準に統一性を持たせることと、誰が計算しても同じ結果になる公平・透明性を確保することです。

さてここで、6節で学んだリスクとリターンの平面評価を思い出してみましょう。リターンを縦軸にリスクを横軸に、投資評価を実施したものです。これをサプライヤー判断にも応用したらどうなるでしょうか。各サプライヤーの価格低減の平均値を縦軸にとり、横軸にはさきほども説明したブレ(=標準偏差)をとるのです。今回も簡単な例をあげてみます。今回はサプライヤー4社を用意しました。

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