サプライヤー戦略(9)価格低減は平均値では測れない-3

サプライヤーAは10個の製品のうち、たった一つ30%もの価格低減をすることにより平均3%になっています。サプライヤーBは製品10個をまんべんなく3%価格低減してくれています。

* 多くのバイヤーが知っている通り、下請法上では一律一定率で単価を下げることを「買いたたき(第4条第1項第5号)」として禁じている。ただし、ここでその内容は本筋ではないためご容赦願いたい。

ここで、標準偏差を見てみましょう。以前説明したようにエクセルで計算してみると、サプライヤーAの標準偏差は9.49%、サプライヤーBのそれは0%です。サプライヤーAは12.49%~▲6.49%までブレる可能性があることになります。もちろん、これは極端な例を示しましたので、価格低減率が「▲」(=値上げ)のときは考慮しないとしても、価格低減が消えてしまうこともありえるわけです。直感で考えてみれば、その理由はわかるでしょう。サプライヤーAにとっては、30%の価格低減を行った製品がなければ、平均値は0%になりますから、サプライヤーBと同じ平均3%といっても、その数字はかなり「あやういもの」です。

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