5章・(5)-1 すべての成功は、「常識に耳を貸さない」ことにある

キーワード「異質な商売」「反対意見」「稼ぐと生きる」

 

・人と違うことを、やれ

 

さきほど、テクニカル分析をやや批判的に述べていた私ですが、やや非理論的なことを最後に述べます。それは、何かのジャンルで成功したかったら、「人と異なる行動をとれ」というシンプルなことです。

考えてみれば当たり前でしょう。供給曲線は、商品を供給する人が多くなれば、右にシフトし価格の下落が起きることを教えてくれました。誰でも供給できるような商品を扱っていれば、競争に巻き込まれます。そして、不本意な値下げを余儀なくされるはずです。

商売の基本は「安く買って、高く売ることだ」と述べました。ある意味、それは1章で説明した「裁定取引」と呼ばれるものです。あっちでは100円のものが、こっちでは150円。みんなが裁定取引における市場内でのそんな「価格差」を発見すれば、それはすぐさま消え去ります。しかし、あなたしか売ることのできない「価格差」であれば、それはあなたの商売のタネとなるでしょう。

日本人は常に流されやすいとされています。「この商品が売れている」とされていれば、その商品を買い集め、「この会社はヤバそうだ」とされれば、その会社の株を売り払います。とすれば、日本のなかで上手くやろうと思えば、その大衆行動の逆をすることです。「この商品が売れている」のであれば、その商品の供給者とはならず、その逆を販売する。「この会社はヤバそうだ」と言われていても(もちろん真偽を確かめたうえで)、その会社の株式を最安値で買ってみる。そのような工夫ができれば良いのです。

最後なので、ちょっと個人的な話をします。以前は、ビジネスマンが本を書こうと思えば、「経営書」か「営業指南書」がメインでした。私はそのどちらも狙わずに、自分の本業であった「原価・調達・購買・仕入れ」の領域を武器として本を書き始めたのです。また、たとえば「原価」の領域ではプロフェッショナルはたくさんいますが、それを身近な商品にたとえて説明している人はほとんどいませんでした。そのような「裁定取引」、ニッチな部分を攻めたわけです。みなさんも、世間の人がほとんど発揮できていない、あなただけの「武器」はあるでしょうか。

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