5章・(2)-2 虚業とものづくりの差は存在しない

・あなたとあなたはどちらが商売上手?

 

あまりにもクールな観点だと思われた方もいらっしゃるかもしれません。ただ、会社の経営状況を見る上で重要なROAという指標があり、これはその冷徹さを表現しています。ROAとは総資本(要するに、会社が持っているお金や、換金できるものの集合体です)と比してどれだけ利益を稼げたかを見るものです。

  • ROA=利益÷総資本=その年に稼げたお金÷会社の元出

このROAが高ければ、その会社は優良で、そうでなければ見向きもされません。会社とは元出を提供する人がいて、それを使って利益を稼ぐところです。ある会社のROAが5%ということは、100万円を預ければ1年後には105万円になっているということです。その隣にROA10%の会社があれば、5%の会社への元手提供をやめて、そちらに預ける人が増えます。

もちろん、経営理念も、お金を集める大きな要因になるでしょう。人は、悪どいことをやって稼ぐ会社よりも、清廉な会社にお金を預けたいものです。ただし、それであっても、お金の出資者が求めているのは、「自分のお金をどれだけ増やしてくれるか」ということであり、「他の会社よりも、どれだけ優れているか」ということを気にします。

製造業であれ、お金を使って、さらに大きなお金を稼ぐ、という形態です。それは、金融業とも変わりません。利益がゼロであれば、ROAは0%です(正確にはゼロは割り算ができませんが、ROAが低いことに違いはありません)。これならば出資者たちは、どこかの定期預金にでもお金を預けておいた方がマシですよね。

また、儲かったお金を出資者・株主に還元せずに、会社内に留保しておく場合もあります。これは、会社が「あなたたちにお返しするよりも、自分たちが運用したほうが、もっとたくさんの利益を稼ぐことができますよ」と言っているわけです。それなのに、その年が終わって利益がゼロであれば、出資者・株主たちの資産増加機会を奪ったということになります。

どのような商売であれ、ROAの前では、「どれだけ稼げるか」という点において平等なのです。

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