4章・はじめに~-2「マクドナルドの無料コーヒーが新たなお金の稼ぎ方を教えてくれた」
・数%のお客、数十倍の利益
これはさまざまなパターンをとります。
身近な例ではSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を思い浮かべるかもしれません。登録は無料。それに普通の使い方なら、そのままにしておくこともできます。しかし、ハマってしまい、データの保存容量を増やしたいなどという欲求がでてきたら、有料サービスに申込むしかありません。月々300円程度と安いものです。ただ、サービスの提供者からすると、100万人の無料使用者がいても、そのうち1万人が有料サービスに加入してくれたら(1万人×300円/人=300万円)じゅうぶん商売として成り立ちます。それに、有料会員ならばさらに追加の商品も売りやすくなりますからね。あるSNS企業は、無料ゲームを提供し、そのアイテムを有料で販売することによって、爆発的な売れ行きを実現しました。
また、あるwebサイトでは毎日5万人の閲覧者がいたそうです。ニュースをメインに配信しているサイトでした。それを毎月500円の会員制に突然切り替えたところ、たったの5%しか会員になってくれなかったそうです。しかし、これは失敗ではありません。5万人の5%ですから2500人です。そうなると、売上げは(2500人×500円/人=125万円)はじゅうぶん大きくなります。年間では1500万円。しかも、電子上のデータですから費用はほとんどかかりません。1500万円がそのまま利益になるとすると、サラリーマンの平均年収をはるかに超えることができる、というわけです。
これは驚くべきことに、お客が一人だろうが、1万人だろうが運用コストがほとんど変化しないという特徴をもっています。そのコストの「変化しなさ」こそがこれまでではありえなかった稼ぎ方を実現させているというわけです。
大きな波はゆっくりと、しかし私たちの世界を覆うほどの大きさをもって、目の前にやってきています。