1章・(4)-2 商品の値段はどうやって決まるのか

・PSM分析と試行錯誤の明日

 

実務上ではPSM分析(Price Sensitivity Measurement:価格感度分析)というものが使われます。要するに、販売テストやアンケートのことです。実際に消費者の声を集め、あるいはテスト販売をすることによって、その商品が特定の価格でどれだけ販売できるかを調べます。いきなり販売すると、どれだけ売れるかは神頼みになってしまうので、地域限定、あるいはコンビニ限定などで様子を見るわけです。少額のお菓子などはよくこの手法が使われます。

実際は、きれいな曲線ではなく歪んでいたり、地域や消費者の年代によってバラついたりすることがほとんどです。売り手側はできるだけ高く販売することを願っていますから、販売量に影響のない程度の高い価格に設定されます。

かつて米国のAmazonがお客によって書籍価格に差をつけ、それによる販売量を調査したことがありました。お客にとっては高く買わされることはあまり気持ちの良いものではありません。Amazonの行為は批判とともに報じられることになりました。ただ、販売側がもっとも調査したいのが、この販売価格による消費者の反応の変化です。Amazonが実施したのは、PSM分析の変奏曲にすぎません。いたるところで、今日も同様の調査が行われています。

売り手は、市場という、見えない、形のない、酔狂な怪物と、いつも闘っているのです。

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