2章・(4)-1 原価率とは?
キーワード「想定価格原価率」「実際価格原価率」「想定数量原価率」「実際数量原価率」
・キッカケは偶然に
聖書を読んだことがあるでしょうか。もちろん、キリスト教やユダヤ教の聖典である、あれです。未読の方はぜひ読んでみましょう。私はいかなる宗教を信じていないものの、あれほど長きに渡って無数の人を魅了し続けたものを経験することは無益ではありません。
それに、聖書は一種の「ロマン小説」です。登場人物の物語に山があり谷があり、喜びのあとには矛盾と不合理があり、まさに私たちの人生を写しています。平坦な道などありませんからね。
ニュースを見ていても、同じことを考えます。つい最近まではやし立てられていた会社が、いつの間にか赤字になる。これまで人気商品だったものが、売れ残って誰からも見向きもされなくなる。繁栄と転落。いつもそれは隣り合わせです。自社の稼ぎ頭だった商品が、いつの間にか赤字の元凶になってしまうと、それは笑い事では済まされません。
では、なぜ人生のように商品の利益には山があり谷があるのでしょうか。それは、原価率が変化していくからです。原価率とは
- 商品にかかるコスト÷商品の販売価格
で表現されます。文字通り、商品にどれだけの原価がかかっているかを率で表現したものです。もちろん、これは低いに越したことはありません。
ただ、これまで、売上げや費用(=コスト)がまるで不変かのように説明してきました。しかし、それらは常に変化していくものなのです。
それは大きく分けて二つの理由があります。販売価格が変化するためのものと、コストが変化するためのものです。それはどのような背景によるのでしょうか。