2章・(3)-2 知らないと会社で相手にされない「売上総利益」「営業利益」「経常利益」といった用語の意味
・それぞれの利益の意味をめぐる冒険
前回の節で、いくつかの費用について説明しました。次に、それらから導かれたそれぞれの利益について意味を考えてみましょう。
- 「売上げ」から「売上製造原価」を引いたものが「売上総利益(粗利益)」:これは、会社が買ってきた材料にどれだけの付加価値をつけることができたかを示しています
- 「売上総利益(粗利益)」から「販売費及び一般管理費」を引いたものが「営業利益」:これは、商品を作って売って得た利益から、さらに人件費や営業所の賃料や土地代などを引いて、どれだけ儲かったかを示しています
- 「営業利益」から「営業外費用」「経常外費用」を引いたものが「経常利益」「税引前当期純利益」:これは儲かった分から、さらに銀行から借りたお金の利子や、株を売ってソンした分を引いて、最終的にどれだけ残ったかを示しています
繰り返し正確には、費用を引くだけではなく「営業外収益」などトクした分も足して求めます。私が学んだことは「経常利益を見ろ」でしたから、利子払い等もふくめて、その会社がどれだけ上手にお金を儲けることができたかを見ていたわけです。
逆に、「営業利益がマイナスだから、商品の値下げはできません」とは、「最後はなんとか儲かることができたけど、営業利益がマイナスなので本業は上手くいっていない。だから値下げすることはできない」という意味でした。たしかに、相手の理屈としては一理ありますね。もちろん、今の私であれば、経常利益がマイナスでも、営業利益がプラスになったときに「値下げしてください」とお願いするでしょうけれど。昔の私には思いもつかなかったことでした。
「ケイツネ」とか「アラリ」と口にする人はたくさんいます。でも、それぞれの意味を知っている人は意外に多くありません。でも、その意味を少しでも知れば、取引先のみならず、自社についてもちょっとした「利益構造の分析」ができるはずです。