調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 2章(3)-16

3)おおきな正義の話をしよう

東日本大震災後の様々な出来事。それぞれに対して格闘し、結果を見いだしてきて思うこと。それは、震災発生時という非常時であっても、「正義」に変化は生まれない、普遍的だということです。震災前と後は確実に繋がっているし、人としての価値観や考え方が変化することもありません。これは購買・調達を生業とし、結果を求めるバイヤーにとっても同じです。

一つの例として、同一企業内の部門間で発生するセクショナリズムを考えてみます。本来、同じ企業であれば最終的な目標は同じです。しかし、部門間での小さな利害対立を乗り越えることができずに対立し軋轢を生みます。そんな状態を取り繕うために、体裁だけの会議であったり、必要以上の根回しであったりを必要します。これは根源的に正しくない、同じ目標を忘れてしまった状態です。普段このような企業が、震災という危機的な状況に直面したとき、普段の対立を忘れ一丸となって事の対処に当たることはできません。

普段の状態を引きずって、より大きな混乱の中で震災後の対応を行なわなければならないのです。だとすれば、ほんとうに我々が求めるべき震災への備えとは、普段、企業活動をいかに整斉と行なっていくかなのです。ほんとうの意味で無理・無駄のない企業活動を実現できるかどうかです。いうなれば、企業活動の中で「大きな正義」という理想を追い求め、社内の各部門が同じ正義を共有することなのです。

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