調達業務のリスクマネジメント～東日本大震災の教訓 ２章(2)-19
コラム～復興の順番
私の勤務先では、震災後早々にある顧客からの復興需要が示されました。しかし正式な注文となるまでに約三ヶ月を要します。そのお客様はマスコミでも被害の大きさが報道されていました。被災したことで確実に必要となることが明白だったわけですが、工場内設備に必要な構成製品の発注までに三ヶ月を要したわけです。
そのお客様以外でも、被害を受けられたことを多く耳にします。しかし、７月となっても伝わってくる被害の程度とは裏腹に復興需要を実感することはできません。震災発生直後には、即納体制を構築しろと鼻息の荒かった営業部門からの声も最近では小さいままです。一方、製品の性格が異なれば、既にフル生産で復興需要に応えている企業もあります。復旧・復興にもプロセスがあって、それぞれ必要なものが異なるわけです。私の勤務先の製品への需要が発生するのはもっと先になるわけです。
