調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 2章(1)-13
サプライヤーとの関係でパートナーシップを標榜していたバイヤー企業は、今回の震災後のサプライヤーの対応についても評価する必要があります。パートナーとして、特別な対応を図っていたサプライヤーにはより厳しい目が必要です。評価した結果を踏まえ、なぜパートナーシップという関係がうまく機能しなかったのかという原因を突き詰めましょう。この評価は震災後のサプライチェーンの再構築を行なう場合には不可欠なベースデータです。同時に、自社の震災前のパートナーシップを構築する為の行動も同じように評価、そしてクロスチェックします。震災時におけるサプライヤーの対応は、バイヤー企業が普段おこなっているサプライヤー対応の裏返しです。これほど広い地域を襲う災害は滅多にありません。阪神淡路大震災の被災地域は、一部の製品を除けば生産地というより消費地との色合いの強い場所でした。そして新潟県中越地震は、日本の国土面積を考えた場合、局地的です。東日本大震災では、多くのサプライヤーが同時に被災しました。そんな時にどのように対応してくれたかを見極めること。それは、サプライチェーン復興、これからのサプライヤー選定に、新たな視点を与えてくれるのです。