調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 2章(1)-12

2000年頃から、サプライヤーとのリレーションを強化する際に「パートナーシップ」という言葉が度々登場するようになりました。ある時はバイヤー企業の調達方針を掲げるホームページで、そしてある時はサプライヤーを集めて行なう調達方針説明会において数多く使用されました。果たして平常時にバイヤー企業として唱え続けた「パートナーシップ」は、震災発生時にどのように機能したのでしょうか。

一社集中とは、本来的にバイヤーとしては望まない状態、依存関係です。そんな中で苦労なく情報収集が行えた、供給再開の優先度が上がったケースは、まさに「パートナーシップ」を踏まえた関係が実質的に効力を発揮していたことを意味します。一方、パートナーシップによって強固な関係を築いていた、少なくともバイヤーはそう思っていたにも関わらず、情報収集にも非協力的で、供給再開に際しても優先してくれたかどうかわからない。そんな対応に不満の残るサプライヤーの存在も印象として残っているはずです。対応がお粗末と映ったサプライヤーの中には、被災の度合いが大きく、そんな対応もやむを得なかった場合もあるでしょう。しかし、大きな被災をしているわけでもないのに対応が悪かったのはなぜなのでしょうか。

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