調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 1章(2)-9

2)電話かメールか

震災発生後、確認すべき情報は2つあります。

①自社の被害の度合い

②サプライヤーの被害の度合い

①は②について、どんなサプライヤーを優先して確認する為の準備です。自社の被害が大きい場合には、設備復旧(間接材)を目的としたサプライヤーの状況確認が優先されます。自社の被害が少ない場合には、部品(直接材)を生産するサプライヤーの状況確認に注力します。自社の状況を正確に掌握し、初めてサプライヤーからの情報収集を開始できるわけです。もし、社内で打ち合わせを行ない、実際に歩き回っても自社の状態が正しく掌握できない場合、事態は深刻です。設備関係(間接材)のサプライヤー復旧応援を依頼する準備を始めます。生産設備の特に据付工事は、地元のサプライヤーに発注するケースが多いですね。自社と同じ地域にサプライヤーも存在することは、被害程度も同じ可能性が高くなります。自社とサプライヤーとの間の地理的な距離は、発注する際の重要なファクターの一つです。しかし、自社の被害程度が深刻である場合には、近隣のサプライヤーも同じように被害を受けている可能性が高い。これからの発注先選定に際しては、自社との距離的な近さに潜むリスクを踏まえることも必要です。

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