調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 1章(3)-14

震災発生後数日が経過すると、徐々に「(必要な分だけ)確保できないかもしれない」という不安がバイヤーに芽生えます。供給源が被災していれば、市中在庫も日々減少してゆきます。今回の震災では、水や食料、電池といった生活必需品の買い占めが大きな問題となりました。同じ問題は企業の調達・購買でも発生します。個人でも企業でも、生き続ける上で必要なものが不足する事態は本能的に避けたくなります。そんな中で目の前に必要なものがあったとしたら確保したくなるのは当然です。

今回の震災発生後におこった生活必需品の買い占め騒動は、不足する事態を予見して人々が感じた不安が原因でした。バイヤーとして同じような状況に遭遇した場合、買い占めるべきかどうなのか。このような問題に対しては、企業の調達・購買部門として企業全体として意思決定を行ない、社内へ周知し、認識を共有化する必要があります。買い占めを行なうにしても、行なわないにしても、結果どちらにもリスクが存在します。買い占めをおこなったにもかかわらず、お客様からの発注がなかった場合には、必要以上の在庫を抱えることになります。

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