調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 1章(1)-9

  • 震災当日に不足するもの

バイヤーは社内に不足しているものを外部から調達することを使命としています。その前提として、置かれた状況=ポジショニングを的確に掌握することは何にも増して重要です。震災による一次被害を免れ、安全を確保しました。そして次に不足するものは何か。それは、いったいどの程度の規模の災害なのかという「情報」、そして自分はこれからどのような被害を受けるのかとの「見通し」です。震災発生以降、時間の経過と共に必要な「情報」と「見通し」は変わってゆきます。震災発生直後、一次的な被害を免れた場合は、まず震災の全貌を掴んで、自分が置かれた震災直後のポジショニングを冷静に判断することが必要です。そのためには、あらゆる手段によって外部から情報を仕入れることが必要となります。情報のソースはマスコミです。テレビ、ラジオ、携帯電話のワンセグ等を活用します。そして、オフィスで被災した場合など、同僚と手分けをして複数のソースから情報を得ることが入手した情報の正確性を高めることに繋がります。報道機関から入手した情報によって、実はまだ安全が確保されていない状況が明らかになる可能性もあるのです。今回の東日本大震災の地震の後にやってきた津波による被害はこの典型です。震災の全貌を正確に掌握し、引き続き起こる可能性のある被害から逃れることが重要です。

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