調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 2章(2)-17
3)決断力と見直し力
震災発生後の情報収集で集まった判断材料。引き続き状況を注視しつつ、今後の方針をどのように決定するのか。震災後数ヶ月を経過しても、依然として不確定要素が多いのが現実です。そして不確定はいずれ確定します。不確定要素が多い震災直後におこなった意思決定は、数ヶ月後にどのような影響を及ぼしているでしょうか。
震災後におこなったバイヤーへのアンケートによると、総じてバイヤーの初動は早いことがわかりました。震災発生当日に動き始め、早々に必要な情報を得ているケースもあります。一方で、震災発生以降の意思決定が、状況変化によって、現状に合わなくなっているケースもあります。今回のような震災は頻繁に起こりません。震災発生直後は、被害の大きさがバイヤーとしてのあらゆるアクションへのモチベーションへと繋がりました。わからないことを知りたいという本能的な部分によってです。そして数ヶ月を経て、直接的な被害を受けた地域以外は、一見すると平穏な生活が戻っています。一見した内容と真実が同じかどうか。震災直後という非常時におこなった意思決定と現状との整合性をチェックする必要があるのです。これも震災直後の初動と同じく、的確なタイミングでかつ素早くできるかどうかが大きな課題です。