調達業務のリスクマネジメント~東日本大震災の教訓 1章(3)-11

2)震災直後に必要なもの

調達・購買部門として、震災直後から事態を掌握するために、情報収集し、情報共有し、そして分析を行なって次なる情報の獲得へと繋げる。このプロセスを回すために必要なものが3つあります。

  • 震災直後であるという、非常時であることを踏まえた組織内の「秩序」
  • 具体的なアクションの「手順」
  • 限られた情報の中で、方向性を見いだし意思決定を行なう「頭脳」

「頭脳」とは経営幹部であり、経営幹部をサポートする周囲のスタッフが継続して働くことができるインフラも含みます。「頭脳」が失われることは、指揮・命令系統が破壊され、従業員の動きに必要な「秩序」の逸失に繋がります。繰り返しますが、情報収集は、集めることだけでなく(1)共有すること(2)分析すること(3)わからないことを明確にして収集すべき「焦点」を明らかにすること、この3点が重要なのです。情報収集の一連のプロセスの中でも分析に「頭脳」は不可欠です。阪神・淡路大震災から得た教訓により、震災発生時に本社のバックアップを考慮していた企業もあります。そのような本社機能=頭脳をどのように維持するかも、これからの大きな課題となります。

無料で最強の調達・購買教材を提供していますのでご覧ください

あわせて読みたい