4章-8:取引先管理
(3)優良表彰制度
これは、比較的、中長期の取り組みです。ひごろの案件をトータルで、評価してあげて、それを年度でまとめ、優良取引先にたいして、表彰制度をつくるものです。表彰制度は、さまざまな意見があるものの、私は実施する効果のほうが大きいと感じています。表彰制度の効果は次のとおりです。
取引先にこちらが求めているものが伝わる:評価とは、いわゆるメッセージです。こちらがどのような取引先を求めているか、その評価基準を伝えることにあります。表彰されなかった取引先にも、同様にメッセージを伝えることになります。
- 取引先内部へのメッセージとなる:個人的な経験では、たとえば、表彰状を渡すとすれば、それが取引先の社内に飾られます。そうすると、がんばりが評価されたわけですから、調達・購買企業の意向が、それ以降、伝わりやすくなります。「これだけ評価してくれているのだから、がんばろうじゃないか」と鼓舞するのです。そうすると、他の発注企業よりも、優先して業務にあたってくれる機会も増えるはずです。
- 人間的な関係を構築できる:表彰制度で、表彰をする際、取引先のトップが参加するのが当然でしょう。そうすると、自社のトップと、取引先のトップの橋渡しができます。食事会などを開催すれば。人間的な関係も構築できます。正直、私は以前、人間関係の蜜月を、比較的バカらしい、と感じていました。しかし、やはり人間関係は強調しても、強調しすぎることはありません。もし、困窮していたとき、トップを通じて、こちらに融通してくれるかもしれません。