3章-32:コスト削減
4.VE案の模索:対象となる機能が選定されたら、次に代替案の検討に入ります。これは創造的な作業になるため、原則はありません。ただ、発想法として使われる古典的なものは、ECRSの原則です。
- Eliminate(エリミネート) 排除:文字通り、それ自体を削除できないか検討するものです。たとえば、前述の例でいえば、プラスチックケースそのものをなくしてしまうなど。
- Combine(コンバイン) 結合:何かと何かをくっつける検討です。おなじく前述の例でいえば、他部品と一体化して成形することでコスト低減を図る等です。
- Rearrange(リアレンジ) 交換:順番を交換したり、工程を変えたりすることです。プラスチックケースを、取引先にアッセンブルしてもらうのではなく、自社の現場で組み付ける、あるいはその逆など。
- Simplify(シンプリファイ) 簡素化:簡単に済ますことです。プラスチックケースでいえば、複雑な形状をシンプルにするなど。
また、少なからぬケースでは、一人だけで考えると、かなり無理のあるようなVE案でも気づきません。そこで、ホワイトボードなどを使い、チームで検討していきます。できれば、さまざまな部門のメンバーが知恵を持ち寄るといいでしょう。