4章-1:取引先管理

知人たちとの再会

かつて、旧友たちと久闊を叙するために、10年ぶりのささやかな会合を開いたことがあります。大学時代の知人たちで、経済学部だったためか、金融機関に勤めるケースが大半でした。銀行、証券、保険……。

私のような現場でボルトを手に取りながら汚れているひとはほとんどいません。さらに、年齢が年齢なので、管理職になって、自宅と職場を往復し、さらにパソコン仕事が中心です。酒を重ねるにつれ、彼らの口から出てきたのは、儲かった株の話とか、社内政治の話とか、あるいは、健康の話だけです。

かつて、文学や社会問題を熱く語り合った高校生時代から、私だけがどうやら遠いところにたどり着いたようでした。いまだに私は顧客とともに工場に出向いて現場確認をしたり、図面を広げながらあれこれと議論したり、または、組織の未来をどうするかといった青臭い議論を重ねているのですから。

旧友たちの会話はほとんど理解できませんでした。それは、意味がわからない、というよりも、その重要性がわからなかったためです。もっとも私は社内政治や忖度に疲れ果てて、組織を飛び出した人間ですから、もともと重要性を理解する能力が欠けているのは間違いありません。

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