3章-29:コスト削減
(5)VEの進め方
その果敢な話をまた進めます。交渉だけでは限界がある場合、技術的に踏み込むものがありました。ここでは、VEをとりあげます。
VEとは、Value Engineeringのことです。価値工学とも呼ばれます。あまりに有名な方程式があります。
これは、価値=Valueと、機能=Function、費用=Costの関係をみたものです。ときとして、コストを下げるだけのことをVEと呼ばれるものの、実際にはお客にたいする価値向上を指しています。
もっとも調達・購買部門が目指すのは、調達品を通じた改善活動でしょうから、調達品価格を下げるところに意識が集中するのはしかたありません。ただ、どうしても技術的な側面に足を突っ込もうとすると、文系出身の調達・購買担当者は拒絶感をもちやすくなります。
しかし、あまり難しく考えすぎるのもいけません。というのも、モノであれサービスであれ、役務であれ、何らかの目的があって存在します。一度、目的から考えて、その手段が正しいのかどうかを見つめ直すことは、文系・理系に関係なくできるはずです。