1章-22:インフラ系調達・購買の基礎知識
支払いルールについて
この節では、下のように言葉を定義します。
- みなさんの会社に依頼をする主体:注文者
- みなさんの会社:元請人
- みなさんの会社から仕事を受ける主体:下請負人
定義の理由は、「注文者」が、みなさんのこと(調達・購買担当者)と誤解しないようにするためです。
建設業法では、元請負人が注文者から代金の支払を受けたときは、下請負人に対しても、支払を受けた日から一月以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その対価を支払わなければならないと定められています。
また、元請負人が特定建設業者で、かつ下請負人が一般建設業者(資本金額が 4,000 万円以上の法人であるものを除く)である場合は注意が必要です。注文者から、代金の支払があるかないかにかかわらず、下請負人が引渡しを行った日から起算して50日以内で、かつ、できる限り短い期間内において期日を定め下請代金を支払わなければなりません。
そのため、特定建設業者の下請代金の支払期限については、注文者から出来高払い、あるいは竣工払を受けた日からかぞえて、一月を経過する日か、下請負人が引渡しの申出を行った日から起算して50日以内で定めた支払期日のいずれか早い期日となります。
さらに、ちょっとしつこい定義ですが、下請負人の資本金の額にかかわらず、元請負人は下請負人にできるだけ早い時期に支払うほうが望ましいとされています。
これは調達・購買担当者ではなく、経理ルールでしょうが、支払い時の手形についても規定があります。元請負人が手形期間120日を超える長期手形を交付した場合は、「割引を受けることが困難である手形の交付」と認められる場合があり、そうなると、建設業法違反です。できれば60日以内に努めなければいけません。
くわえて、手形等で支払う場合には、その現金化にかかる割引料等のコストについて、下請負人の負担がない下請代金の額に加算する等々、協議せよとしています。