3章-4:コスト削減

彼は、製品のスペックを把握していたので、他部門が発注したまま余らせていた製品を紹介してあげることができました。この例を聴いて、当然だ、という調達担当者もいるでしょう。しかし、このささやかな成功体験は、彼を変えるのに十分でした。同等性能納品の紹介をし、それによりコスト低減につなげる。この些細なことが、彼と現業の担当者に一つの絆を与えました。

「お役に立てて嬉しかったです!」。彼の口から自然に言葉があふれました。

そこから、彼は現業の担当者に「おせっかい」を繰り返しました。設計者がメールを出してきたり、電話をしてきたりするたびに、情報を与えるのです。「あれっそれだったら、もっと安いもの知っていますよ」「それよりも、こっちの取引先がいいですよ」

そこから現業の担当者の態度も変化してきました。「えっ。そうなの? これまで誰も調達の人は教えてくれなかったよ。ありがとう。これからすぐ検討してみるわ」。現業の担当者も、彼に好意的な反応をしだしました。彼ももちろん、この仕事に自信を持ち出すのに、時間はかかりませんでした。

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