2章-19:インフラ系調達・購買のコスト分析

(5)発注履歴使用の仕組みづくり

多くの企業では、過去の注文履歴をまとめていないケースが大半です。過去に類似した製品を買っているにもかかわらず、その都度、見積もりを取ったり比較したりしています。

もちろん取引先間の比較は重要です。しかし、自社の実績としていくらで調達したかを確認せねばなりません。

多くの企業では発注システムが完備されており、仕様でテキスト検索をすれば、同一品の調達履歴を見られます。ただし、それを一覧表にまとめていたり、あるいは特定の仕様でソートできたりするようにしている企業はあまりありません。その都度、発注履歴を検索するのも良いのですが、そうすると手間がかかりますし、何よりも同一の仕様ではなく類似の仕様品から価格を類推できません。

したがって、ABC分析において上位にランクインした品目でも構いませんので、過去1年の調達品を仕様で分け、価格を一覧表にしておくことをおすすめします。

ABC分析によって大きなカテゴリーまでは分けているはずです。その次に、図にある通り、材質や厚み等の仕様によって分けます。これが発注履歴や品目名称が明確なら良いのですが、以前もお話しした通り、めちゃくちゃ、あるいは現場の担当者によって書き方の癖がある場合があります。

一つ目の方法は、一つひとつ、セルを見ながら仕様を抜き出していくことです。ときには発注履歴の内容だけ見ると、わからないケースがあるかもしれません。その場合は、面倒ですが、取引先に聞いたり、あるいは社内関係者に聞いたりするしかありません。

その次にExcelのマクロを組むことです。それぞれの仕様が何パターンかに規定される場合は、その特定の単語を発注履歴のなかに存在する場合に、そのセルに色をつけたり、あるいは「○」をつけたりして分類する方法です。

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