1章-26:インフラ系調達・購買の基礎知識
(5)下請契約の締結
下請契約について
インフラ関係に従業する調達・購買担当者は、とくに、建設⼯事の請負契約の当事者として、取引先との対等さが求められます。下請事業者が不利にならないように、公正で透明な業務を経て、契約を締結せねばなりません。
- ⾒積依頼業者の選定
- ⾒積依頼
- 現場説明・図⾯渡
- 質疑応答
- ⾒積書提出
- ⾦額折衝
- 契約の締結
上記の流れとなります。見積依頼等については説明しました。繰り返すと、内容をはっきりと提示し、書面によるものでなければなりません。また、建設業法のところで、契約書に明記する内容について言及しました。そこで、工事内容について締結する必要があるとしましたが、見積依頼の際、明示すべき工事内容は次の通りです。
①⼯事名称
②施⼯場所
③設計図書(数量等を含む)
④下請⼯事の責任施⼯範囲
⑤下請⼯事の⼯程及び下請⼯事を含む⼯事の全体⼯程
⑥⾒積条件及び他⼯種との関係部位、特殊部分に関する事項
⑦施⼯環境、施⼯制約に関する事項
⑧材料費、労働災害防⽌対策、産業廃棄物処理等に係る元請下請間の費⽤負担区分に関する事項
現場では、毎日がバタバタしています。そのなかにあっても、取引先とは対等の立場で交渉し、しっかりと合意が重要です。取引上の有利な立場をつかって、必要なコストに満たないでの契約は認められません。
なお、とはいえ、取引先の見積書が高いケースもあるでしょう。その際に、価格交渉はもちろん認められています。重要なのは、こちらの根拠を真摯に伝え、それを納得いただくことです。
なお交渉については、のちの章でくわしく取り上げます。