4章-5:取引先管理
具体的なベンダーリスト作成
具体的には、過去の調達履歴を把握します。調達品によっては、発注頻度が低いため、過去1年分を調べても、そもそも発注していないかもしれません。絶対的な基準ではありませんが、過去三年分を履歴調査することを勧めます。これは企業の中期3年計画ともリンクしますし、3年の発注履歴がなければ、ベンダーリストを作成する意義も低いためです。
エクセルで作成するのであれば、品目分類、取引先情報(取引先名称や、住所)を記載し、その取引先が、どんな調達品に対応しているかをマトリクスで表現します。さらに、読者の企業が多数の都道府県にまたがった営業をしているのであれば、その調達先が、どこの現場に納品できるかを、おなじくマトリクスで表現しましょう。
そして、完成したら、その調達品ごとに推奨取引先を色付け、現業部門に配っておきます。あとは、時間の余力があれば、取引先の参考情報として、年間のコスト削減実績や、強みと弱みなども記載しておきましょう。
なお、私見では、あまり細かな取引先情報は不要です。たとえば、営業窓口のご芳名だとか、メールアドレスだとか。もちろん、それは各調達・購買部門の考え方によるとしかいえません。ただ、私が細かな取引先情報は不要という理由は、メンテナンスが大変だからです。それに、これを見るひとたちも、ほんとうにコンタクトしたいと思ったら、調達・購買部門に一報を入れて、そのときの営業窓口を訊けばいいだけです。
こういうリストを作成するときは、気持ちが盛り上がり、なんでもかんでも入れてしまいそうになりますが、問題は継続性にあります。できるだけシンプルでかまわないので、早く業務で使ってみましょう。