4章-4:取引先管理
(1)ベンダーリストの作成
取引先管理の第一歩として、まずはベンダーリストを作成する必要があります。ベンダーリストとは、つまり、それぞれの調達品を、どの取引先から調達できるのか表にしたものです。このベンダーリストの作成意義は次のとおりです。
- 取引先数管理:調達品ごとの取引先をリストアップすることによって、調達品による特徴や、取引先の多寡を知ることができます。たとえば、特定調達品にはほとんど取引先がいない場合は、今後の課題として、取引先増加が挙げられるでしょう。逆に、取引先が多い場合には、取引先口座管理の観点からも削減が求められます。
- 見積書依頼候補調査:調達品によっては、比較的、発注の頻度が低い場合があります。そのときに、あらかじめベンダーリストを作成しておけば、スムーズな依頼が可能です。また、競合見積書を入手する際は、当然として、現業部門から相談があったときに、ベンダーリストを作成していれば、他事業部が実績のある取引先を推薦できるかもしれません。
- 推奨取引先:また、現業部門がなんらかの技術的な課題を先行して取り組むとき、調達・購買部門の推奨取引先を、ベンダーリストで表示しておけば、現業部門も一つの目安になります。もちろん、現業部門から調達・購買部門への相談は必須でしょうが、すくなくとも、あらかじめ現業部門は、調達・購買部門の推薦取引先を確認できます。