1章-9:インフラ系調達・購買の基礎知識
(2)資材業務の役割
調達業務の経営影響
調達・購買業務によって、どのような企業への影響があるのでしょうか。それをまとめたのが次の図です。
これから、左側の順に三つずつをご覧ください。
- 「予算の必達」:調達価格を通じて工事・プロジェクト全体の目標値達成に寄与することです。必ずしも、取引先と価格交渉をして価格を値下げしてもらうだけではありません。現業部門が推奨した取引先を変更したり、または取引先への業務委託内容を簡素化するなどして契約金額を安価にしたり、または物品発時にはロット条件を緩和したりします。
- 「調達単価の最適化」:継続して調達している原材料、物品、または外注の人工あたり単価の価格を見直し、価格低減することです。また、価格を同業他社と比較し、高い調達価格を是正します。
- 「長期契約」:単品契約ではなく、発注数量を事前に提示し、それによって安価な単価を引き出すことです。あるいは、他の工事・プロジェクトと合わせて業務委託することで、安定調達と、契約価格の値上がりを事前に抑止します。
→この三つは、英語で「コストリダクション=cost reduction」ですから調達単価を安価にし、原価低減に寄与します。長期契約では、むしろ、もしかすると、高くなってしまう局面もあるかもしれませんが。長期的には価格を安定させ、原価を低減します。