4章-19:取引先管理

(5)協力会社への上限設定

また、取引先への発注を考える際に、同時に考慮せねばならないのは、「発注しすぎ」を防ぐことです。厚かましい言い方でいえば、身の丈を超えた注文を繰り返せば、キャパ以上を請け負ってもらうことになるため、問題になります。どこの取引先も倒産してもらっては困りますが、あまりに一社集中だと怪我も大きくなります。

また倒産にはいたらなかったにせよ、一社だけに依存していると、商品供給遅延、供給停止、品質不良などが考えられます。また、その取引先が、原料調達があまりうまくないとすれば、原料価格高騰、原料調達状況悪化、さらにその結果として、欠陥商品がもたらされるかもしれません。

また現場が多忙をきわめるがゆえの、安全不良、衛生不良……。最悪の場合は、公害を引き起こせば、それは社会的な責任を果たした調達とはいえません。それは、さらに、中長期的な技術力低下や信用低下にもつながるかもしれません。

では、この上限設定を考える際に、有効なのが財務・与信アプローチです。これは、取引先の損益計算書等から最大受注額を計算するものです。そして、経常利益の実態から、与信限度を計算し実態と比較するものでもあります。

取引先にたいする最大の買掛金はいくらになるのでしょうか。考え方として、取引先にとって、読者の会社への「財務上の限界売掛金」を採用することになります。あまり難しくはありませんので、ゆっくり理解してください。

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