2章-14:インフラ系調達・購買のコスト分析
私が紹介した、この注文件数やコスト削減額の全体寄与度から見る分析は、もちろん一例です。自社の調達・購買機能が求められている役割によって、さまざまな仕分けが可能でしょう。しかしながら、この例だけでも、さまざまな施策が思い浮かぶはずです。
ところで、ときに「少額品であっても1円単位で大切に交渉することが大切だ」という考えをもつマネージャーに会います。私は、この考えについて大変、複雑な感想をもっています。というのも、私が現場の人間だったときは賛成でした。実感としては、1円を大切にしない組織は、100円も1万円も大切にできません。だから、どんな少額品であっても必死に交渉する姿勢は評価できます。
しかし、コンサルタントになってから、経営側にちかい立場のひとたちと接するようになると考えが変わってきました。なにかというと、そのバランスです。経営側も別に、1円を無駄にしてほしいと思っていません。しかし1円を大切にする代わりに、調達・購買組織はあまりに大事な何百万円をないがしろにしているのです。
その意味で、バランスを考えて、戦略を考えることが大切です。