4章-16:取引先管理

私が考える、あるべき協力会は次の通りです。横軸には、その協力会参加企業の入れ替え有無です。縦軸は、開催内容です。このイメージは、4がもっとも古いあり方です。3→2→1が先端です。

入れ替えは年度ごとに行い、取引戦略にしたがって、協力会にお呼びする企業を替える試みです。そして、親睦だけを目的にするのか、戦略・文化共有にするのかで違いをつけます。

さらに、1象限の協力会は次の要件を想定しています。

  • 要件評価制度の導入
  • 要件入れ替え基準の設定
  • 要件提供情報のランク設定

つまり、取引先評価があって、どの基準値を超えた取引先を協力会会員とするかという閾値があって、さらに、協力会に参加した取引先にどのような情報を提示するか。とくに、情報にランクをつけるのは、調達・購買ゆえの発想です。一例では、このように情報ランクとします。

  • ランクA:協力会参加企業のみに提示する、今後の事業戦略や技術検討項目、開発予定内容など
  • ランクB:すべての取引先に公開する、工事案件・生産計画など
  • ランクC:取引先にかかわらず、ひろく社会に発信する内容。IR、サービス情報

これを、交渉術の用語で、「不等価交換できる情報」と呼びます。つまり、自社からすれば、情報は無形物なので、提示にコストはかかりません。しかし、受け取った取引先からすると、きわめて大きな価値をもちます。これが不等価交換というわけです。

さらに、情報にランクをつけることで、一つのメリットは、協力会に取引先が加入するインセンティブが生じることです。協力会に加入したって、面倒なだけで、何もトクしない、と取引先が思うのは残念です。お付き合いのレベルから脱却するためにも、協力会に加入すると取引先に利すると思わせる必要があるのです。

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