3章-27:コスト削減

また、これは一つの考え方として、査定資料類の使い方をあげておきます。

  • 毎月更新:「建設物価」「積算資料」に掲載されている単価
  • 年に一度の更新:「資材調査単価」等に掲載されている単価

ちなみに、「建設物価」「積算資料」では、細かな地域にわかれています。厳密には、その地域ごとに見ていくべきでしょうが、さほど時間をかけるのも得策ではありません。さらに、地域がまたがる工事の場合もあります。そのような際には、安価な方を査定根拠として採用する、というシンプルなルールでじゅうぶんです。大口か小口か、という議論も、おなじく安価な大口を採用しましょう。

まずは市況を調べること

ところで、多くの調達部門で驚かされるのが、「建設物価」や「積算資料」を確認するルールになっていながら、あるいは推奨されていながら、実際には確認している調達・購買部員がほとんどいないことです。部門によっては、毎月、両雑誌を購入はしているものの、ずっとキャビネットに置かれているケースもあります。見てみると、折り線すらついておらず、ずっと放置されているとうかがわれます。

なぜでしょうか。訊いてみると、「めんどくさいから」だそうです。または「購入量があまりも少ないため、この掲載価格通りに調達できるはずはない」という思い込みによるものです。「では実際に調べましたか」と訊いてみると「調べたことがない」という答えです。

逆に、「たくさん調達しているため、この掲載価格よりも安く購入できている。だから調べる必要はない」ともいわれました。繰り返し、「では調べたことありますか」と訊いてみると「調べたことはない」といわれました。

価格とは常に相対的なものですから、自分が調達しているものの適切さを確認するためには、他の比較材料が必要です。もちろん、この2つの雑誌や公共レポートが正しいと言っているわけではありません。ただ、相見積書だけではなく、査定における比較材料を多くもってください。そして、実際に比較してみてください、という当然のことを申しているまでです。

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