7章4-10<セクション3~社内関連部門とのコラボレーション>

6.関連部門との連携にあたって

ここまで関連部門との連携について述べてきました。いうのはたやすいものの、実際には部門間に発生する絶望的な溝を乗り越えるために多大な労力と時間を費やしています。しかし、そもそもこれは奇妙な話です。

というのも、同じ会社にいるひとたちは、やっている業務こそ違え、同じ目的のために集まった戦友です。会社の理念を実現化するために、効率化を図って部門ごとにわかれているだけで、そこに根源的な思考の差異などあってはいけません。

お互いを分野のプロフェッショナルと尊敬するのは当然で、激しい競争のなかで生き残るためには、力をあわせるしかないからです。

それでも溝があった場合、どうすればいいのでしょうか。

もちろん、絶対的な解答はありません。

しかし、できることは、溝に対面する一人ひとりが、くじけずに未来志向をもつことでしょう。結局は、私たちはなぜこの会社に一緒にいるのだろうか、なにを目的としているのだろうか、私たちが具現化すべき理念とはなにか――。そういったことを一つひとつ地道にすりあわせていくしかありません。

過去からの蓄積によって部門間の溝は、より深く広くなってしるかもしれません。ネット通販で有名な某社の会議室には、誰も座らない豪奢なイスがあるそうです。社長が座るためのものではありません。議論が停滞してしまったとき、会議の参加者全員で、そのイスを眺めるそうです。

イスは、お客の象徴です。

私たちの議論は、自部門を優先に考えていなかったか。あるいは、瑣末なこと、社内の人間関係を優先していなかったか。ほんとうに、あのひと――お客のためになっているだろうか――。

やや湿っぽい表現をお許しいただけるのであれば、調達・購買部門の存在行為は、きっと利己的でも利他的でもなく、なすべき方向を羅針盤のように理知的に指し示すことにあるのではないか、と思うのです。

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