3章-6-1<セクション5~コラム「公正取引委員会の調査」について>

・「消費税の転嫁拒否等に関する調査」について

サプライヤマネジメントの観点からはやや逸脱するようですが、「消費税の転嫁拒否等に関する調査」について説明しておきます。これは、中小企業に配布される調査資料で、「問題のある取引先企業(バイヤー企業)」を明らかにするものです。消費増税に伴って価格をあげるどころか、その負担をサプライヤに押し付ける企業をあぶり出そうとしています。

ほとんどの企業や調達担当者には無縁でしょうけれど、調達・購買企業側からすると、当局が何を問題としているのか興味深い資料でもあります。

この資料からポイントを拾ってみます。

調査をおこなう場合には、情報源が決して知られることのないよう十分に注意 して行います。安心してありのままの事実を記載してください。>とは当たり前で、<商品・役務(サービス)を供給している事業者が、取引先事業者(買手事業者)から消費税の転嫁拒否等の法律上問題となる行為を受けていないかを把握し、問題となる行為の是正につなげるため、全国の事業者から無作為に抽出し、貴社に本調査への協力をお願いすることとなりました>とのことです。

私の勝手な判断ですが、これは税金を使って実施される調査であり、私の会社にやってきた当調査票の抜粋は問題ないと考え、公開しています。

貴社がこの調査に協力したこと及び貴社の回答内容について、貴社の取引先事業者など他の事業者に知らせることは一切ありません。また、貴社の回答内容について、この調査の目的以外に使用することは一切ありませんので、ありのままの事実を回答用紙に記載してください。
この調査に関して、貴社の取引先事業者から回答内容について指示を受けたり、回答用紙の写しを提出するよう求められたりした場合は、下記の問い合わせ先まで連絡してください>ともあります。

当然ですが、上記にあるように、もし怪しげな行為があったとしても、サプライヤに回答の写しを求めてはいけません。

ここで、ちょっと補足しておきます。多くの調達担当者は消費税のことなどほとんど意識せずに交渉していると思います。消費税が上がろうが下がろうが、税抜き価格で交渉することが大半だからです。

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