6章3-4<セクション2~CSR調達の実践>

(2) 法令調査

法令遵守はCSR調達の基礎的な条件です。日本企業であれば、まず日本国内の法令順守を徹底します。その上で、グローバル調達の進捗度合いにより、国ごとに異なる労働基準や環境保護規制を踏まえ、日本国内との違いを理解しなければなりません。進出先がどのような状態にあるかを、以下の通り掌握します。

① 法令の体系に日本との差異は無いか

② 法令が存在するかどうかの違い(日本には法令あり、現地にはなし)

③ 適法基準の違い(日本では適法でも、現地では違法)

④ 法令の運用基準が異なる

現地での経験の乏しい進出時の現地状況の掌握には、情報提供をおこなうコンサルティング会社の活用なども一手です。

 

(3) サプライヤの調査

具体的な活動内容を定める際には、サプライヤの現状掌握も不可欠です。初期段階では、書面による調査と訪問調査をおこない、全体感の掌握に努めます。

調査・確認に際しては、サプライヤ評価項目に、従来の能力確認に加えて、以下の評価内容を加えます。

① 製品安全性の担保

② 法令遵守への取り組みの具体的内容

③ 従業員の労働環境における法令確認と順守状況

④ 事業にまつわる廃棄物の適正な処理と、持続可能性への配慮

日本国内のサプライヤであれば、同じ法令の下で活動しています。しかし、海外のサプライヤの場合は、法令の整備状況が、そもそも日本と異なっています。前述のとおり、海外法令調査も忘れてはいけません。

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