1章-6-4<セクション4~セオリー③長期的:正しい集中/分散調達を実行する>

B)  購買品の集中~1.基本的な考え

次に本命の、購入量を増大させる取り組みである「購入品の集中」について考えてみます。これは、「標準化」「共通化」といった言葉に表され、既に取り組まれておられる企業も多い手法です。同じ商品名の中で、これまで10種類購入していたら、できるだけ種類を減らして、1種類あたりの購入量の増加を目指します。

メーカーの場合、ボルトのようなシンプルな購入品も、開発・設計部門がなんらかの根拠を持って形状や材質、サイズを選定しているはずです。例えば、同じ径だったとしても、締結する対象の寸法によって購入品の仕様を決定しています。わずかな長さや径の違いで何種類も購入しているのは、それなりに理由があるはずです。

また、こういった取り組みは、すでに開発・設計部門の設計者の意識のなかにある場合も想定しなければなりません。実質的に種類が増加していない場合、これ以上やって発生する費用に対して明確な効果を生むのかとの抵抗もあるでしょう。この「購入品の集中」に際して問題なのは、調達・購買部門では購入品の集中を実現させるための実質的な検討を行なって、結論を見いだしえない点です。

もちろん、調達担当者としてあるていど購入スペックを理解しているはずです。「購入品の集中」を実現させるために、あらかじめサプライヤとの間で「購入品目の削減」といったテーマで可能性を検証し、実現した場合のメリットの算定を事前におこないます。事前検討の結果、想定されるメリットと共に、関連部門に実現性の検証を依頼します。メリットの大小によって、優先順位付けも変わってくるでしょうから、調達・購買部門でサプライヤの事前検証は非常に重要な意味を持ちます。

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