6章4-5<セクション3~情報の収集>
・物価指数データの自己業務への展開実例
次の図は、著者が実際に印刷してノートに挟んでいる指標のグラフです。2005年基準を採用しているのは、自社の購入価格のデータが2005年までなら苦労なく参照できるためです。このグラフも、かなり大枠ですが、サプライヤからの値上げ要求のもらった瞬間に、このグラフを参照して、原材料がわかれば、このグラフ一枚でかなりの仮説が立てられ、いろいろな質問も浮かびます。
「このデータによると、このタイミングで市況が下がっているけど、このときには価格はどうなっていたの?」などの質問を、値上げ要求に間髪入れずに返せれば、「手ごわい調達担当者」ではあるでしょう。
上記に加えて、次のような取り組みも可能です。需要段階別の指数では、原材料費の変動をおよぼす影響が推測できます。また、自社の購入品と自社製品の価格トレンドをクロスチェックして、営業部門へお客様への値上げ要求の検討要請の根拠にします。
調達・購買部門は、購入する財やサービスの価格に責任があります。企業物価指数は、根拠としても活用できるし、価格の推移から仮説構築にも利用できるし、私がもっとも活用しているデータです。
・景気調査について
その他、物価推移ではありませんが、景気を把握するものとして、次の指標をあげておきます。
- 景気ウォッチャー調査( http://www5.cao.go.jp/keizai3/watcher/watcher_menu.html )
・毎月25日~月末調査 ⇒ 翌月8,9日公表
・全国を11の地域に分類し、経済活動の動向を敏感に反映する現象を観察できる業種
・「家計」「企業」「雇用」「合計」の4種類の現状判断DI
・マクロ統計の公表スピードの遅さ(特に地方)をカバーする目的で実施
- 法人企業景気予測調査( https://www.mof.go.jp/pri/reference/bos/ )
・四半期ごとの調査 BSI(Business Survey Index)を算出
・直前四半期と比べた現在、翌四半期、翌々四半期も回答
・「大企業」「中堅企業」「中小企業」の三つのデータを発表
・「回答企業の景況」「国内の景況」「雇用」「来年度の企業収益・設備投資見通し」「売上」 「経常利益」「設備投資」
- 商工会議所LOBO(早期景気観測) ( http://www.jcci.or.jp/lobo/lobo.html )
・毎月中旬に調査して、月末に発表
・全国419の商工会議所が3147企業にヒアリング
・業種別の景況感「建設」「製造」「卸売」「小売」「全産業」