6章4-6<セクション3~情報の収集>
・経済レポートについて
また、日本銀行が発表する「地域経済報告(さくらレポート)」(http://www.boj.or.jp/research/brp/rer/)も有益です。これは、日本を9つの地域に分けて、それぞれの地域における景気情勢に関するレポートです。
これを見ると、地域ごとにだいぶ有効求人倍率が異なる事実を理解できます。
また、下のグラフは、「日銀短観(企業短期経済観測調査)」(http://www.boj.or.jp/statistics/tk/index.htm/)の景況感DIの実績値の推移を、地域ごとにグラフ化したものです。
こういった指標を見ると、例えば有効求人倍率の高い地域にあるバイヤー企業が、低い地域のサプライヤへ発注すれば、事態が好転する可能性を考えられます。例えば、有効求人倍率の低い九州沖縄地方の都道府県では、積極的に地銀と連携した商談会の開催をおこなっています。
景気回復は、調達・購買部門と調達担当者にとっては、逆風の側面もあります。需要の高まりによって、買い負ける可能性が高まります。従来よりも高い価格であっても確保できれば良いものの、供給量の不足により確保できない事態も想定しなければなりません。せっかくの需要の高まりで盛り上がる自社の営業部門に冷や水を浴びせかねない事態です。
こういった指標は、数値を読み取って、みずからの行動に役立てなければなりません。マスコミの全国平均の有効求人倍率ではわからない多様性が日本経済にはあるのです。その多様性を活用して、適切な調達・購買活動を目指すのが、今われわれに求められているのです。