1章-5-3<セクション3~セオリー②中期的:対抗サプライヤを探す>
上記の例は、次の通りです。
- 発注予定の製品XYZの製造工程を、6工程に分類
- 分類した工程のうち、三つの工程を重要工程に分類
- 見積依頼をおこなうサプライヤを確認したところ、
- 工程1と3は、協力会社へ外注
- 工程2と4~6は内製
上記のケースでは、重要と判断したすべての工程かつ、全行程の過半数以上が、取引相手であるサプライヤの内部にリソースが存在することで、主体的に製造可能であると判断できます。上図中にある「専門工程」「重要工程」をどのように見分ければ良いかをみることにします。
「専門工程」とは、設備的な制約により、専門会社によっておこなわれることに妥当がある工程です。具体的には、
・材料加工(材料取り、切断)
・金属の表面処理及び原材料等を製造する資本集約・設備産業的工程
が挙げられます。また、労働集約的な工程を、より労務賃レートの低い企業へ外注するケースも含まれます。
「重要工程」とは、購入対象の仕様・性質等、そのサプライヤから購入することを決定する「根拠」となる工程です。いうなれば、この重要工程を持つから見積依頼をおこなうわけです。「重要工程」と判断する基準は、次の3点です。
- 最終的な購入する品物の「出来」を左右する工程であること
- 対象サプライヤに、他のサプライヤにない優位性が存在する。または、他のサプライヤには存在しない工程であること
- 対象工程に関するノウハウを持っていること(ノウハウそのものの内容で判断もしくは、品物の「出来」で判断)
このような内容を持って、サプライヤに果たして見積依頼した製品を製造可能なのかどうかを見極めていきます。そして、製造可能かの判断は、実際の監査を通じることになります。監査を通じて、サプライヤの工程にたいする考えかたを工程ラインとともに吟味していきましょう。また、現場を確認することで、サプライヤの強みと弱みを把握する必要もあります。